Classici giapponesi con furigana
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ぬいこ
縫子
宮本 百合子
Leggi 縫子 (ぬいこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9962 caratteri · 20 schermate
するとなみが、お針子を憚って低い声で、
「なんですね」
とたしなめた。
「そんな意久地のないことでどうなります。何も涙なんぞ出すことないじゃないの」
強く云われると縫子は音も立てず一層涙をするする頬につたわらせた。なみは当惑そうにそれを見ていたが、
「どうしてそうでしょうね」
と歎息した。そして縫子の生れたままの弱い不活溌な心に霧のようにいつもかかっている一種の生存の苦しさなどにはまるで心づかず、
「晩にでも大村さんへ行って診てもらって来なさい、よほどどうかしているもの」
と勧めた。
底本:「宮本百合子全集 第二巻」新日本出版社
1979(昭和54)年6月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第二巻」河出書房
1953(昭和28)年1月発行
初出:「新潮」
1926(大正15)年11月号
入力:柴田卓治
校正:原田頌子
ファイル作成:野口英司
2002年1月23日公開
青空文庫作成ファイル:
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