Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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るこうしんそう

縷紅新草

泉 鏡花

Leggi 縷紅新草 (るこうしんそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.566 caratteri · 48 schermate

Aozora Bunko

「見えやしない、なにもないじゃないか、どこなのだね。」

「知らない。」

「まあさ。」

「乳の少し傍のところ。」

「きれいだな、眉毛を一つ剃った痕か、雪間の若菜……とでも言っていないと――父がなくなって帰ったけれど、私が一度無理に東京へ出ていた留守です。私の家のために、お京さんに火事場を踏ませて申訳がないよ。――ところで、その嬰児が、今お見受け申すお姿となったから、もうかれこれ三十年。……だもの、記憶も何も朧々とした中に、その悲しいうつくしい人の姿に薄明りがさして見える。遠くなったり、近くなったり、途中で消えたり、目先へ出たり――こっちも、とぼとぼと死場所を探していたんだから、どうも人目が邪魔になる。さきでも目障りになったろう。やがて夜中の三時過ぎ、天守下の坂は長いからね、坂の途中で見失ったが、見失った時の後姿を一番はっきりと覚えている。だから、その人が淵で死んだとすると、一旦町へ下りて、もう一度、坂を引返した事になるんだね。

ただし、そういった処で、あくる朝、町内の箔屋へ引取った身投げの娘が、果して昨夜私が見た人と同じだかどうだか、実の処は分りません……それは今でも分りはしない。