Classici giapponesi con furigana
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るこうしんそう
縷紅新草
泉 鏡花
Leggi 縷紅新草 (るこうしんそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.566 caratteri · 48 schermate
――明石町は昼の不知火、隅田川の水の影が映ったよ。
で、急いで明石町から引返して、赤坂の方へ向うと、また、おなじように飛んでいる。群れて行く。歯科医で、椅子に掛けた。窓の外を、この時は、幾分か、その数はまばらに見えたが、それでも、千や二千じゃない、二階の窓をすれすれの処に向う家の廂見当、ちょうど電信、電話線の高さを飛ぶ。それより、高くもない。ずっと低くもない。どれも、おなじくらいな空を通るんだがね、計り知られないその大群は、層を厚く、密度を濃かにしたのじゃなくって、薄く透通る。その一つ一つの薄い羽のようにさ。
何の事はない、見た処、東京の低い空を、淡紅一面の紗を張って、銀の霞に包んだようだ。聳立った、洋館、高い林、森なぞは、さながら、夕日の紅を巻いた白浪の上の巌の島と云った態だ。
つい口へ出た。(蜻蛉が大層飛んでいますね。)歯医師が(はあ、早朝からですよ。)と云ったがね。その時は四時過ぎです。
帰途に、赤坂見附で、同じことを、運転手に云うと、(今は少くなりました。こんなもんじゃありません。今朝六時頃、この見附を、客人で通りました時は、上下、左右すれ違うとサワサワと音がします。