Classici giapponesi con furigana
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るこうしんそう
縷紅新草
泉 鏡花
Leggi 縷紅新草 (るこうしんそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.566 caratteri · 48 schermate
」
「そこで、「友禅の碑」と、対するのか。しかし、いや、とにかく、悪い事ではない。場所は、位置は。」
「さあ、行って見ましょう。半分うえ出来ているようです。門を入って、直きの場所です。」
辻町は、あの、盂蘭盆の切籠燈に対する、寺の会釈を伝えて、お京が渠に戯れた紅糸を思って、ものに手繰られるように、提灯とともにふらりと立った。
五
「おばけの……蜻蛉?……おじさん。」
「何、そんなものの居よう筈はない。」
とさも落着いたらしく、声を沈めた。その癖、たった今、思わず、「あ!」といったのは誰だろう。
いま辻町は、蒼然として苔蒸した一基の石碑を片手で抱いて――いや、抱くなどというのは憚かろう――霜より冷くっても、千五百石の女の、石の躯ともいうべきものに手を添えているのである。ただし、その上に、沈んだ藤色のお米の羽織が袖をすんなりと墓のなりにかかった、が、織だか、地紋だか、影絵のように細い柳の葉に、菊らしいのを薄色に染出したのが、白い山土に敷乱れた、枯草の中に咲残った、一叢の嫁菜の花と、入交ぜに、空を蔽うた雑樹を洩れる日光に、幻の影を籠めた、墓はさながら、梢を落ちた、うらがなしい綺麗な錦紗の燈籠の、うつむき伏した風情がある。