Classici giapponesi con furigana
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びしょうねん
美少年
岡本 かの子
Leggi 美少年 (びしょうねん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.417 caratteri · 27 schermate
その歎きの理由がまだはっきり判らないのに、わたしは少年から胸に沁みて来る悲哀のようなものを移されていた。
「僕はほんとうは、美少年の時春なんていわれるのとても嫌なんだ。剥せるならこんなきりょう顔から剥しちまい度いと思うんだ」
人も許し、自分も認める己れの美貌のため少年は、物ごころつく時分からどんなに苦労をしたか、人には判るまいといった。
こども仲間にはにやけた奴だと排斥された。その遊び仲間に入れて貰うのには心にも無い乱暴や狼藉を手見せに働いてみせねばならなかった。少し大きくなって悪るさをしてみたり、バレた所業を振舞ったり、偽悪の仮面を冠るのも、自分の美貌にテレるからであった。自分を美貌として、美貌のままつんと澄すくらい女の子ならいざ知らず男の子には尻こそばゆい思いはないといった。「気が弱い癖に好みや意地ばかり張った都会っ子の気持はそうしたものなのだ」
それでも自分はこの界隈から美少年の時春と謳われるようになった。こうなってみれば、わざとそれを自誇するのが却って男らしい気がした。しかし移り気の花柳街にいかに美貌の人間でもうっちゃって置いて人気がそう永く保てるものではない。