Classici giapponesi con furigana
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ろうぎしょう
老妓抄
岡本 かの子
Leggi 老妓抄 (ろうぎしょう) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.601 caratteri · 31 schermate
老妓は「まさか」と笑ったが、悲しい顔付きになって、こう云った。
「でも、男があんまり細かいことに気のつくのは偉くなれない性分じゃないのかい」
「僕だって、根からこんな性分でもなさ相だが、自然と慣らされてしまったのだね。ちっとでも自分にだらしがないところが眼につくと、自分で不安なのだ」
「何だか知らないが、欲しいものがあったら、遠慮なくいくらでもそうお云いよ」
初午の日には稲荷鮨など取寄せて、母子のような寛ぎ方で食べたりした。
養女のみち子の方は気紛れであった。来はじめると毎日のように来て、柚木を遊び相手にしようとした。小さい時分から情事を商品のように取扱いつけているこの社会に育って、いくら養母が遮断したつもりでも、商品的の情事が心情に染みないわけはなかった。早くからマセて仕舞って、しかも、それを形式だけに覚えて仕舞った。青春などは素通りして仕舞って、心はこどものまま固って、その上皮にほんの一重大人の分別がついてしまった。柚木は遊び事には気が乗らなかった。興味が弾まないままみち子は来るのが途絶えて、久しくしてからまたのっそりと来る。自分の家で世話をしている人間に若い男が一人いる、遊びに行かなくちゃ損だというくらいの気持ちだった。