Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かんがえこじき

考えこじき

小川 未明

Leggi 考えこじき (かんがえこじき) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4263 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

かれは、店さきをはなれ、ちがった意味のなまなましいゆううつを感じながら、下を見て歩くうちに、もうすこしで、道の上につきでた、鉄棒の先へつまずこうとしました。

「あぶない、なんだろう?」

すぎかけたのを、わざわざもどって、それをみつめたのでした。たぶん戦災のなごりであろうか、なにかのこわれた金物が、道に埋まっているのです。

さいわい、自分は、つまずいてけがをしなかったが、だれか、けがをする人があるにちがいなかろう。そう思うと、かれにとっては、まったくとつぜんのできごとだったけれど、そのままいきすぎてしまうことを、良心が許さなかったのでした。

「さあ、どうしたら、いいだろうか。」

いままで、頭の中を占領していた、ふかい谷や山も、また、きりや、雲もどこへか、あとなく、煙のようにきえてしまって、そのかわり、きたないしみのように、現実のなやみが、全心をとらえたのでした。目をとじたり、頭をふったりしてもすぐに解決のできぬことだけに、いらだたしい気持ちとなりました。そして、早く、このなやみから、のがれる方法を見いだそうとしたのでした。それには、ここに、一つの例外がある。