Classici giapponesi con furigana
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おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
Leggi 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) di 森 於菟 (もりおと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.925 caratteri · 89 schermate
へ通っているので、古着屋でみつけた小倉の学生服を一着した青年である。ほかにはよぼよぼの腰もよく切れないお爺さん小使一名しかいない。したがって全職員を見渡しても一向厳粛なる気分は起らぬが、主任教授としての私は威儀を正し、声色を励まして訊問に及んだ。私に叱られることはめったにないのでその点にらみはきいたが、恐縮するとともにおどおどした助手君の国語はしどろもどろとなり、酒精中毒の爺さんの膝はいたずらにぶるぶる震えるのである。結局判明したところを綜合すると、犯行は正しくこの両名の共謀で、隣りの生理学教室で実験に使った犬の死骸を貰って来て爺さんは皮を剥いで売り、助手君はその肉を犬鍋にして食い、残った骨を焼場へ送る人骨の中に投げ込んで何くわぬ顔をしていたのである。なお両人とも死体貯蔵用として教室で買い入れた酒精を加工して飲んだ嫌疑も濃厚であった。
つまり人骨を盗んだのではなく、余分に犬骨を人間のお供をさせて焼場へ送ったのが発覚したのである。さんざん二人を叱りつけてから養育院の医長室へあやまりに行った。まさか犬を食ったとはいいにくいので「実は実験した犬の死骸を小使が誤って焼場へ送る死体残物の中に入れましたので、何とも申しわけのない次第でありますが、今後厳重に取り締りますからなにとぞ御勘弁を」