Classici giapponesi con furigana
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おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
Leggi 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) di 森 於菟 (もりおと) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.925 caratteri · 89 schermate
これは死体に対しても、我々に向っても、失礼きわまるので、義憤を感ずるが、生気溌剌たる候補生諸君はさすがに礼儀正しく、室内では軍帽を右腰の辺にピタリとつけ、左手は革帯にさがる短剣の鞘を握り、二列の解剖台の間の通路を、それにつづく隣室のタンクの間を、一列縦隊で床にひびく軍靴の音も高らかにさっそうと行進する。
この日はあらかじめ珍客に備えて、実習時間以外は常に解剖台にかぶせてあり、多年死体からしみ出した液汁がこびりつき雲のような形の暗褐色の斑紋がえがかれている、ゴム引きの麻布は取り除かれ、バネじかけの重いタンクの蓋ははずされてある。それで死体の足は両側の台から真中の通路にむけて突き出され、そのふやけた親指には標識の木札が凧糸で結びつけてあって、にじんだ墨で姓名性別年齢病名が記してあるが、ところどころに氏名不詳推定年齢何歳肺結核などいうのも見える。
実習課程の進行中なので死体は、剥がれた顔や頭の皮の乾きかけたのを焼するめのように垂らし、眼や口の周囲のうす赤い筋肉が幾重にも輪をえがき、つるつるの頭蓋骨をむき出し、頭を丸めた孫悟空のごとき相好の中からしなびた眼球や抜け残りの汚く黄色い歯をのぞかせる。