Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんでき

耽溺

岩野 泡鳴

Leggi 耽溺 (たんでき) di 岩野 泡鳴 (いわのほうめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.597 caratteri · 110 schermate

Aozora Bunko

「一体どうしたわけなの?」僕の妻は仲裁的に口を出した。

「くれたもんを取り返しに来たの」

「あまりだますから、おこったんだろう?」

「だまされるもんが悪いのよ」

「そう?」妻は自分の夫もだまされているのだと思ってきまりが悪くなったが、すぐ気を変えて、冷かし半分に、「可哀そうに、貰ったと思ったら、おお損をした、わ、ね」

「ほんとに」と、吉弥も笑って、「指輪に拵えてやろうと思ってたら、取り返されてしまった」

こういう話をしているうち、吉弥のお袋が一人の女をつれてやって来た。吉弥は僕の方もまた出来なくなるかと疑って、浅草へ電報を打ったので、今度はお袋が独りでやって来たのだ。つれた女は芸者の候補者だ。

お君が一座の人々をぎろぎろ見くらべているところで、お袋はお貞と吉弥とから事情を聴き、また僕の妻にも紹介された。妻もまたお袋にその思ったことや、将来の吉弥に対する注文やを述べたり、聴き糺したりした。期せずして真面目な、堅苦しい会合となった。お袋は不安の状態を愛想笑いに隠していた。

その間に、吉弥はどこかへ出て行った。あちらこちらで借り倒してある借金を払いに行ったのである。