Classici giapponesi con furigana
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せいアレキセイじいんのさんげき
聖アレキセイ寺院の惨劇
小栗 虫太郎
Leggi 聖アレキセイ寺院の惨劇 (せいアレキセイじいんのさんげき) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 32.638 caratteri · 65 schermate
「溢血点があるな。」と呟くと、今度は屍体を仰向けにした。すると、股下の辺りから――ちょうど閾から一寸程下った所に当るのだが――真鍮製の手燭が現われた。それは、直径五寸ばかりの鉢型をしたもので、堆状の火山型をした残蝋が鉄芯の受金を火口底のようにして盛り上っている。そして、その間から百目蝋燭にも使えそうな太い鉄芯が、真黒に燻ってニョッキリ突き出ていて、燃え尽きた芯がその裾の方で横倒しになっていた。ところが、手燭のあった辺の着衣を調べると、焦痕は愚かやや水平から突出している鉄芯の痕らしいものさえ見出されないのである。それも後で差込んだものでないことは、床から手燭の裾にかけて、微かながら血の飛沫があるので明瞭だった。
「何だい? 大変な執念じゃないか。」手燭を置くと、法水の眼がふたたび屍体の両腕に引かれて行くので、検事は訊かざるを得なくなった。
「ウン、左腕が内側へ曲っているだろう。今に君は、それが非常に重大な点だと云う理由が判るよ。」それから法水はルキーンを見て、
「君が昨夜ここを出る時に、この蝋燭がどのぐらいの長さだったか憶えているかね?」
「さよう、五分ばかりでしたかな。