Classici giapponesi con furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Leggi 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) di 松永 延造 (まつながえんぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.696 caratteri · 144 schermate
私は試みに、私の作風の一例を此処に引き出して見よう。
其の人が通過した跡
其の人は自分の母親を連れて歩いていた。彼の足は真直ぐで、母の背は曲りかけていた。彼は少しもクタビレないけれど、然も母親のクタビレたのを察する事が出来た。
「心が行き達き、他の心を察する事」之がその人の特性だったのである。
「お母さん。私は一度丈貴方を自動車に乗せて上げたいと思います。」と子は云った。
「お前は私がクタビレたと思って、そんな風に云って呉れるが、私は未だ歩けますよ。それにお前の足は大変活撥で、もっと地面を踏みたがっていますよ。本当に若い中は高い山なぞを見ると、直ぐそれへ登った所を想像する程だもの。然し年をとると、そこを越さずに、向うへ行ける道はないかと探すようになるのだね。」と母が微笑んで答えた。
けれども其の人は自動車を呼んで、それから運転手に訊いた。
「B迄行くのですが、車の何方側へ多く日が当りますか。」
「右側ですよ。」と運転手が答えた。
「では、お母さん。私が右側へ座ります。お母さんは日影においでなさい。」
之は暑い日の出来事であった。眠相であった運転手は不図目を上げて、幾らか恨めし相に青年とその母を見やった。