Classici giapponesi con furigana
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しょっこうとびしょう
職工と微笑
松永 延造
Leggi 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) di 松永 延造 (まつながえんぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.696 caratteri · 144 schermate
」と呟き乍ら大急ぎで妹から別れ去った。
四十二円の金は二十一円丈私の手に残っていたが、私はそれを少しずつ喰い減らして行った。最後の一円丈が軽い財布の底に見出された時、私は思い切って一つの商売を初めねばならなくなった。その商売は犬殺しよりも少し勝っているように考えられはしたものの、決して正当なものと云う丈の価値はなかった。
「大きい悪事よりも、小さい悪事を……」と私は云いつつ、知り合いの卵屋へ走り込んだ。私は其処で非常にまけて貰って五十銭丈青島卵を買い入れた。古くなっている為めに表面が象牙のように光沢を持って了った三十五の鶏卵を、私は悪い巧みで体中を顫わせつつ見入った。何故私はそんなにイジけた質なのだろう。
「この光沢がいけないんだ……」
残りの三十銭は一体何の為めに費されたであろう。私は薬種屋へ行って三種の薬品を買い入れた。それらを上手に調合し、薄い溶液にしたものへ、光沢のある鶏卵を浸すと、一時間程でツヤ消しが完了した。
「ハハハハ之で宜敷い。」と私は大哲カントのように独語した。おお何と云う好い器量の卵達であろう。ラフなブロマイト印画紙のような肌は、もう近在から出る地卵とそっくりであった。