Classici giapponesi con furigana
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はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Leggi 肌色の月 (はだいろのつき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.706 caratteri · 101 schermate
う」
「大池はたしかに自殺したらしい……この先、まだ逃げまわるつもりなら、伊豆の奥の、こんな袋の底のようなところへ入ってくるわけはないから……われわれの見解はそうだが、大池が生きているという事実でもあるのかね」
そういうのが警察の常識なら、決定的な場で、追及の裏をかく手もあるわけだと、久美子は考えたが、それは言わずにおいた。
警察から伝達があったのだとみえて、夕方、キャンプ村の管理をしている石倉が機外船で迎いにきた。
「ご苦労さま」
久美子が乗りこむと、機外船はガソリンの臭気とエンジンの音をまきちらしながら、対岸の船着場のほうへ走りだした。
「結局、バンガローへ行くことになったわ」
「バンガローといっても、ぼくの三角兵舎みたいなもので……荒れていますから、お気持が悪いでしょうが、湖畔のいちばん綺麗なのを掃除しておきました」
「あてなしに、フラリと出てきたもんで、飯盒も食器も持っていないんだけど、食事、どうしたらいいのかしら」
「ご食事はバンガローへお運びします」
「それは、たいへんよ……あなた、錨繩を曳く仕事があるんでしょう。飯盒を貸してくだされば、じぶんでやります」