Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Leggi 肌色の月 (はだいろのつき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 50.706 caratteri · 101 schermate
宇野さん、すまないが、警察の連中を呼んで来てくれないかね。その辺に張込んでいるんだろうから」
「警察のひとはみなひきあげたふうよ……連絡係の警官が、明日の朝、八時ごろ、見にくるといっていたけど」
大池は気落ちしたように、がっくりと首をおとした。
「私の冠状動脈は紙のように薄くなっている。こんど発作をおこしたらもう助からない……明日の朝まで十二時間……それまで保合ってくれるかどうか、辛い話だよ」
大池は自首することにきめたらしい。すこしも早く警察と連絡をつけたいふうだが、湖水の近くで電話のあるところは、キャンプ村の管理事務所か伊東ゴルフ場のクラブ・ハウスだけ。どちらも二キロ以上あって、いまの久美子の健康状態では、とてもそこまで出掛けて行くことは出来ない。
久美子は落着かなくなって、玄関のほうへ行った。子供達でも通ったらと、脇窓のそばで聞耳をたてていたが、対岸のキャンプ村では、みなテントに寝に入ったとみえ、笑い声ひとつ聞えない。久美子はあきらめ、脇窓のカーテンをひいて、大池のそばに戻った。大池は自分だけの思いに沈みこんでいるふうで、鬱々と眼をとじていた。