Classici giapponesi con furigana
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のうめんのひみつ
能面の秘密
Leggi 能面の秘密 (のうめんのひみつ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.440 caratteri · 35 schermate
オツネが別館へもみに行くとき、
「あとで奥さまもお願いなさるそうですからすみ次第来て下さい」
と女中さんから話があった。これもいつもの習慣だ。今井さんはまだ若いからアンマをとらなかった。
大川さんは少量の酒で気持よく酔う人だった。しかし寝る前に催眠薬をのむので四五十分もむうちに大イビキで眠りこんでしまう。この日もそうだった。この人は変った人で、
「お前のようなまずい顔のメクラでも酔ってアンマをとるうちにはとかく変な心も起きやすいものだから、その壁にかかった鬼女の面をかぶってもんでもらうことにしよう」
こういう妙な習慣になっていた。小心で用心深い人なのだろう。そのくせアンマは強くて、もっときつく、もっと力いっぱいと催促されるので、こういう人をもむと何人前も疲れるからアンマには苦手の客だ。オツネは大川がねこんだのにホッと一安心、鬼女の能面を外して卓上へおいて部屋をでた。
オツネはメクラながらもカンのよいのが自慢だから、行きつけの家や旅館に行ったときには女中たちに案内されるのが何よりキライだ。
「私はカンがいいのよ。一人で大丈夫」
どこへ行ってもこう云わないと気がすまない。