Classici giapponesi con furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Leggi 脱線息子 (だっせんむすこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.293 caratteri · 221 schermate
待っていたのである。新太郎君は洋服に庭下駄穿きで下りて行った。
「私の上る日はいつも上天気ですな」
「そんなこと何うでも宜いわ。彼方へ参りましょう」
と秀子さんは先に立って池の畔の腰掛へ案内した。
「大きな鯉がいますね」
「西川さん!」
「はあ」
「何も仰有らないでおあやまりなさいよ」
「何をですか?」
と新太郎君は態と訊いて見た。こゝぞ教育と考えたのである。
「お分りになりませんの?」
「この前の日曜のことなら先刻お詫申上げました」
「あんなことじゃ私気が済みませんよ」
「何うすれば宜いんですか?」
「ちゃんとあやまって戴きましょう」
「秀子さん、あなたはその癖をお直しにならなければいけません」
「何ですと?」
「秀子さん、それじゃ堪忍して下さい」
「それじゃとは何です? 私、そんな気の乗らないあやまり方じゃ堪忍して上げられませんよ」
「秀子さん、そんなに仰有るものじゃありません。私が悪かったに相違ありませんが、男には男の交際があります」
「それじゃもう宜いわ」
「秀子さん」
「もう宜いわよ」
「憤らないで下さい」
「男の交際がそんなにお大切なら、私はもう絶交させて戴きます」
「秀子さん、お待ち下さい。