Classici giapponesi con furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Leggi 脱線息子 (だっせんむすこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.293 caratteri · 221 schermate
と伯母は少し落ちついて来た。
「松浦と申します」
「娘さんの名は?」
「秀子さんです」
「幾つ?」
「二十一だそうです」
「お父さんもお母さんもお揃いでしょうね?」
「えゝ。しかしお父さんはこの二三年寝たり起きたりだそうです」
「何処がお悪いんでしょう?」
「さあ。存じません」
「新太郎はあゝいう堅い子ですが、その娘さんを貰いたいとか何とかとお前に言いはしなかったの?」
「さあ」
「何う?」
「矢っ張り、その何でしょうな、貰いたくないこともないんでしょうな」
「お前にそんな話をしたことがあるの?」
「別にありませんが、これは単に私の推察です」
「なけりゃない方が宜いのよ。実は此方に丁度好い縁談が始まっているんですから」
「伯母さん」
「何?」
「実はないこともないんです」
と寛一君は慌て出した。
「あるの?」
「幾度もあるんです」
「それ御覧なさい。一寸鎌をかければその通りじゃないの?」
「何うも唯事じゃないと思ったよ」
と伯父もニヤ/\笑っていた。
「でも言わないでくれって頼まれたんですもの」
と寛一君は追々実を吐く。
「何と言ったの? 新太郎は」
と伯母が追究した。
「それは訊かないで下さい。