Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
えんようき
艶妖記
山本 周五郎
Leggi 艶妖記 (えんようき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.761 caratteri · 38 schermate
「一つだけで結構です、云いますからよく聞いてください」
八百助はここで力いっぱい燧石を打ちながら、
「思うことは何でもかなう力を私に与えてください」
「よし、――」
こう云ったとたんにじゅっという音が聞こえた、炭火を水へ入れた時のような音である。そしてそれっきり、どんなに燧石を叩いても曾古津神の声は聞こえなくなった、按ずるに曾古津様は禁を犯して人間に万能の力を与えたため、神界の法律によってしかるべく処置されたのであろう。信心家が神棚に向かって切火をする習慣は実にこの故事に由来するものであり、現在どこにも曾古津神社なるものが存在しない由縁もまたこれに因るのである。
「自分には思うことのかなえられる力が与えられた」
八百助はいささかの疑念もなくこう信じた、
「よし試してみよう」
彼は眼をつぶって跛の足よ立てと念じた。跛の足は立った。がんがち頭の知識人種や疑い深い高利貸や一つ覚えのくそ自然主義者どもは信じないかも知れない、これらの種族はせいぜいのところ文学で可能性を追いかけまわすくらいが能なのだから、しかし情緒に敏感であり精神に伸縮をもち聡明にして頴悟なる読者諸君はお信じなさるだろう。