Classici giapponesi con furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Leggi 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) di 三上 於菟吉 (みかみおときち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.800 caratteri · 67 schermate
あとにお春はしばしが程は、悪夢を見ている人のようにただ茫乎としたまま坐っていたが、やがて前へと身を投げて、よよと哀しく哭き崩れました。
それから半時程経った後であった。お春は我家に近いあたりを送りの駕籠でゆられていたが、ふと泣き湿れた顔を拭いて、垂師をはねて駕籠かきに言いました。
「たしか此処は南海寺、わしは寺内に棲んで居る知人をたずねてゆきたい故、鳥渡下して下さんせ」
「じゃと申してもう夜も大ぶん更けました。明日のことになされては……」
「いやいや急ぎの用事故、わしはついちゃっと用をたしてゆく程に、其方達は此処から戻るがよい」
お春は駕籠を下り立って、いくらかの酒代を二人に遣わし、礼の言葉を後に聴いて、小走りに急ぎ乍ら、物寂しい夜半の寺内へはいってしまうのでした。
やがてお春が辿って来たのは、南海寺の裏地に続いた、凄まじい墓地の辺りでした。秋の夜空は黒く澄んで、月の光は蒼く輝き、苔のひまからこおろぎの哀しい声がきこえていた。
お春は小さな石塔の前に坐って手を合せながら言うのでありました。
「父さん。わしゃ殿御に捨てられて、母さんにも兄さんにも、どうこの顔が向けられよう。