Classici giapponesi con furigana
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えんしょ
艶書
山本 周五郎
Leggi 艶書 (えんしょ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.027 caratteri · 50 schermate
「そう思ってくださいまして、出さま」
「自分がいちばんよくわかるはずです」
「本当にそう思ってくださいますのね」
「七重さん」彼は手を伸ばして、そっと彼女の肩を抱いた。
「私はまもなくお役につくことができます、そうしたらね」
七重は彼にもたれかかった。やわらかくもたれかかって、(こんどはあまやかに)低く泣きはじめた。出三郎はその耳へ口をよせてささやいた。
「私がお役についたら……わかりますか、お役について、その時期が来たら――」
七重の泣き声であとは聞こえなかった。七重はいま出三郎の胸にもたれ、よろこびに酔ったような声で泣き続けた。――雛段の雪洞がかすかにまたたいていた。