Classici giapponesi con furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Leggi 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) di 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.254 caratteri · 226 schermate
「これだ。これだ。これだったら、誰にも異存があろうはずがない。」
と、頓狂な声を立てながら、得意そうに頭の上にふりかざして、皆に見せびらかした。それは西鶴の『好色一代男』で、どの巻も、どの巻も、手持よく保存せられたと見えて、表紙にも小口にも、汚れや痛みなどの極めて少い立派な本だった。
「なるほどね。一代男とはいい思いつきだ。Mさんは夙くから西鶴の歎美者だったしそれに一代男というと……。」
銀行家は、禿げた前額を撫上げながら、ちょっと言葉を切って、にやりとした。
「一代男というと……。」皆は頭のなかで、この草子の主人公世之助が、慾望の限を尽した遊蕩生活を繰返してみた。そして人情のうらおもて、とりわけ女心のかげひなたを知りぬいていたM氏にとって、こんなに好い道づれはまたとあるまいと思った。
「それはいい。Mさんと世之助とでは、きっと話が合うから。」
皆は口を揃えて『好色一代男』を棺に納めることに同意した。そして生前懇意だった人のために、死後好い道づれを見つけることが出来たのを心から喜んだ。
「それじゃ、どなたも御異存はございませんな。」
脚本作者のWが『一代男』