Classici giapponesi con furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Leggi 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) di 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.254 caratteri · 226 schermate
騒めきは掠めるような人声で、すぐ頭の上の社廟のなかに起きていた。何でも五、六人の人たちが、二組に分れて言い争っているらしかった。その一組は呼吸の通っている人達とみえて、声柄に何の変りもなかったが、今一つの組が肉身を具えたこの世の人たちでなかったのは、その物言いぶりが何よりもよく語っていた。紛れもない幽魂そのものの声で、それを耳にすると、掘りかえされた墓土の黴臭い呼吸と、闇に生れた眼なし鰻の冷さが気味悪く感じられた。恐いもの見たさの物好きが強く働いていなかったら、若い漁師はそこそこに舟を漕いで、遠くへ逃げ出したかも知れなかった。
「すると、お前たちが心静かに月に見とれていると、そこへこちらの二人が無理に入って来たというのだな。」
だしぬけにこういう声が聞えた。その声には、口喧嘩をし合っている輩のものとは似てもつかない重々しい力があった。若い漁師はすぐにそれを社廟の神様のお声だなと気づいて、軽い身顫いを覚えた。
「さようにございます。手前どもが永い間閉じ籠められた常闇の国から抜け出して来て、久しぶりに見たのが今夜の満月でございましょう。手前どもはあの青白い光を見ると、むかしのいろんなことを思い出して、唯もう夢のような気持で、水際の草の上に蝗のように脛を折り曲げて、じっとあたりの静かさを楽しんでいたものでございます