Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
誰かが、幇間のような態度にあてつけて、そういったので、くすくすと、笑いが起った。
「あんた、ちょいと」
桃色のパラソルをさした方の女が、マンのすぐ前に来て、蓮っ葉に、呼びかけた。
マンは、びっくりして、
「はい……?」
「あんたはん、珍しいもの、持ってやはったらしいけど、それ、あてに見せてんか?」
「なんでしょう?」
「なんや、こう、手に持って、パッと火のつく、小さな機械やったわ。煙草のみはるのに、煙管に、マッチとは違うた、その機械でつけはったでっしゃろ?」
「懐中ランプのことじゃよ」
と、新之助が、横から、マンにいった。
マンは、腰にぶら下げていた麻袋から、懐中ランプを取りだした。
「これでしょうか?」
女は、受けとると、銀色の小箱を、子供のようにひねくりながら、もう一人の女に示した。
どちらも、年配は二十二三、似たような丸顔である。桃色パラソルの方は、眼尻が下り、唇がうすく、軽薄で、厚顔らしいが、緑色傘の女は、下ぶくれで、眼元が涼しく、唇にしまりがあり、どこか落ちついているところがあった。唇の右下にある大きな黒子が、昆虫が止まっているように見える。妙に、色っぽい。