Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
数回、そうすると、どうやら、意識を取りもどした。三人は大男を手取り足取りしてかつぎ、山下組の詰所の方に、去って行った。
詰所の裏に、飯代部屋がある。独身仲仕たちの下宿である。もとセメント倉庫だったものを改造して、畳がしいてあるだけだが、広さは三十畳敷ほどもある。それが、三と一の割合で、男仲仕と女仲仕とに仕切られ、台所には、大きな五升釜が、三つならんでいる。
海の見える窓際で、向こう鉢巻をして、将棋をさしているのは、玉井金五郎と、山口甚七だ。二人は、昼休みを待ちかねて、将棋盤を持ちだす。甚七は「ノロ甚」という綽名があるが、将棋は彦島随一で、金五郎は、二枚落しで、どうしてもかなわない。負けん性が強いので、負ければ負けるほど、仕掛かって行き、また、負ける。今も、四苦八苦だ。
「おい、金さん、あら、なんじゃ?」
この島では見かけぬ遊び人が、一人を三人でかついで、窓の外を通るのを、甚七は指さしたけれども、金五郎は、ちらと一瞥しただけ、「どうせ、つまらん喧嘩じゃろうよ」
と、雪隠詰になりそうな、自分の王将へ、情なさそうな瞳をかえした。
石炭の中に、腰をおろして、森新之助は、仲間たちに、前夜のありさまを、声高に説明していた。