Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
と、話をつづけた。
吉田磯吉の一の子分、友田喜造の刀が、鋸の歯のようになったところまで来たとき、足音がして、五六人の見なれぬ遊び人があらわれた。背はひくいが、眼の鋭い一人が、
「おい、おしゃべりしとる、そこの兄ちゃん、ちょっと、向こうまで、顔を貸してくれんか?」
そして、ひょろ長い、跛の一人が、新之助の腕をつかんだ。
新之助は、道具倉庫の裏に、つれて行かれた。
竹籠、スコップ、雁爪などが積みあげられ、赤錆になった錨が一本、足を切られた蛸のように、投げだされてある。その上にとまっていた一羽の雀が、どやどやと、やって来た人間の群におどろいて、海の方へ、飛び去った。
立ちどまると、新之助は、
「わたしに、なんぞ、用ですか?」
と、きいた。
新之助は、年よりはすこし老けて見える。身体つきは頑丈だが、面長の色白で、整った顔立ちをして居り、癇癪持ちで、利かぬ気の半面、どこかに気の柔いところがあって、争いごとは好きではなかった。だから、遊び人たちに拉して来られると、はじめから、日ごろの敏捷さにものをいわせて、隙をうかがって、逃げだすつもりにしていた。
「おう、用がないのに、誰が呼ぶか」