Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
大将」
「離せ」
「今から、行っても、もう、間に合わん」
「殺られたのか?」
どきっとして、心臓が、胸壁の中で、宙返りした。
「もう、すんでしもうたですよ」
「すんだ、というのは?」
「江崎の方が、敗けたとです」
「詳しく、話してくれ」
豆八の語るところによると、こうである。
――五反町にある江崎満吉の家では、玉井家を襲撃するために、子分たちを鳩合した。昼間から、準備をして、首途に鏡を抜く四斗樽まで買いこんだ。もっとも、この酒代は払ったかどうか、わからない。夕方ごろ、江崎家には、三十人ほどの人数がいた。牛肉のすき焼かなんかで、晩飯を食い、酒を飲んでいた。竹槍、日本刀、鎌などが、牀の間に、ずらりと、ならべてあった。酔って来ると、歌う者、手をたたく者、踊る者が出て来た。
「おいおい、あまり、ぐでぐでになるなよ」
江崎満吉は、気が気でないように、幾度も子分たちをたしなめていた。
十二時の定刻まで、みんな、一寝入りということになった。
十一時に、江崎が起した。そして、型どおり、向こう鉢巻、縄襷、尻はし折り、ワラジがけ、武器をものものしくたずさえて、赤穂浪士の討入り然と、出発した。