Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
……それに、昔のおれなら、なにくそ、と思うが、娘の子の親となってみるとなあ……」
金五郎は、親友の弱々しげな口調を、さびしい思いで、聞いていた。
(新公は、変った)
新之助の立場や、苦衷は、充分に察していながら、金五郎には、兄弟盃をした親友の軟化が、やはり、さびしかった。情ない気もした。この若松では、ほとんど唯一の友人で、頼みにしていた男なのに、いま、その新之助が、自分を離れようとしている。裏切るとは思わなかったけれども、金五郎は、俄かに、孤独感におちいって、気が沈んだ。
反動的に、快活な調子で、
「わかった。わかった。よし、承知。日日と時間とを知らせてくれ。いつでも、行く」
「そうか。そうしてくれると、ありがたい。……それからな、この刀、二本とも、お前にやる。そのかわり、仲直りの場で、お前が喧嘩に使うた刀は、おれから借りたもんということは、いわんようにしといてくれ」
「わかった。わかった。もう、帰れ」
森新之助は、いずれ日取りが決定したら、知らせるから、と、ひどくなって来た雨の中を、帰って行った。
番茶を運んで来たマンは、怪訝な顔つきで、
「新さん、どうかしたの? えらい早よ、帰りなさったが……」