Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
……左腕に、昇り龍、右腕に、降り龍――あたしが彫るのなら、両腕に、一対、ぜひ頼みたいって。……そうでしょう? 金五郎さんも男なら、いったん約束したことは、忘れはしないでしょ? あたしだって、すこしは知られた彫青師さ。うるさい関東の渡世人たちの間で、腕だけではなくて、気ッぷで、通って来た「蝶々牡丹のお京」よ。山ほど、銭金を積まれたって、いやだと思ったら、どんな貸元にだって、桃ひとつ、彫りゃしないわ。それが、金五郎さんの美しい肌に惚れこんで、……まちがわないでね。あなたにではなくて、あなたの身体に惚れたのさ。……銭金、損得抜きで、あたしが、こんなに打ちこむなんて、これまで、一度もなかったことよ。……金五郎さん、わかる?」
「うウン、わかったような、わからんような気持じゃが……」
「金五郎さん、お願い」と、また、お京は、蓮ッ葉な伝法調から、哀願する態度になって、
「ね、あたしに、右腕に、降り龍を彫らせて。もう、彫ってやるなんて、威張らないわ。あなたが、左腕だけで、博多から逃げてしまったときから、あたしは、病気になったのよ。狂人になるかも知れないわ。夢にまで見て、うなされるの。