Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
真暗ではあるが、勝手はわかっている。無言で、着物を脱ぎすて、マンの寝ている蒲団に、もぐりこもうとした。
ところが、マンは、まるで、蓑虫のように、身体を、堅く、掛け蒲団で包んでいる。しっかりと、両手で巻いていて、金五郎を寄せつけない。
「なにしちょるか?」
「あんたこそ、なにをしとんなさるの?」
「蒲団を、退けんか?」
「ああ、白粉くさい。けがらわしいわ。用があるなら、お京さんところに、行ってしなさい」
「貴様、……そんなこというなら、強姦してやる」
腹の立つのと、おどけるのと両方で、笑いながら、金五郎は、マンへ挑みかかった。力ずくになると、マンは、かなわない。はげしく抵抗したが、蒲団をめくられてしまった。
しかし、次の瞬間には、マンの上にかぶさった金五郎が、「ア、タタタ、……ツ」と、異様な呻き声を発して、顔を大根葉色に青ざめさせると、ぐったりと、投げだされていた。
マンは、はね起きた。両手と、尻餅とを、べったり、畳のうえについて、一つ、巨大なため息をした。がっかりとなった。動悸が、止まらない。
金五郎は、暗黒の中に、だらしなく、伸びている。苦しげに、うごめきながら、虫の息であったが、それも聞えなくなった。