Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
友田は黙って、帰った。ひどい出鱈目をいう者が居るなあ……?」
「お前のおかみさんの手紙に、書いてあった」
「おれの女房の手紙? キミが、お前に、手紙を書いた?」
「そうよ」
「おかしいのう。キミの奴は、おれに輪をかけた無学文盲で、自分の名の外は、一字も書けん女じゃよ。それが、手紙なんか、書くわけがないがなあ」
これには、金五郎もびっくりして、ふところから、持参して来た君香の手紙を取りだした。無言で、新之助に渡した。
目読していた新之助は、読み終ると、大きな吐息をついた。
「そうか。これで、なにもかも、わかったよ」
「やっぱり、おかみさんの字とちがうか?」
「ちがうも、ちがわんも、女房の字なんて、おりゃ見たことがない。これはな、染奴が書いたんじゃ」
「染奴?」
「うちの抱え芸者じゃが、あの翌る日に、急に、仕換えをするというて、「山根」に変ったんで、妙なことに思うとった。こんな卑怯な芝居をしくさっとる」
「染奴が、なんで、こんな偽手紙を書くんじゃ?」
「お前に、惚れちょるからよ」
「おれに?」
「染奴の旦那は、友田喜造じゃが、友田は外に何人も、女がある。友田はけちけちしとるし、誰か、ええ旦那に鞍替えしようと、前から考えとった。