Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

「玉井君」酔って来た副島は、いくらか、からかい気味の語調で、「君も、ひとつ、町会議員にならんかい?」

「とんでもない。わたしらのようなゴンゾが、そんなこと、考えただけでも罰があたりますよ」

「罰? なんの罰が? たれが罰をあてるんだね? 僕はいつも考えるんだよ。この若松は石炭の街だから、石炭仲仕の代表が、町会に出る必要がある。聯合組の重役では、田中光徳親分などが出たい意向があるんだが、ほんとに、石炭の中で、まっ黒になって働いとる君たちの中から、誰か出にゃいかん。それには君が持ってこいだよ」

「いやです」

高台になっているので、窓から、若松の街が一望である。金五郎はコップを口につけ、苦いビールの泡を噛みながら、光の少い若松の街を、感慨をこめた眸で見おろした。

(とうとう、若松に、腰を据えることになってしまった)

運命の不可思議さを、今さらのように、考えずには居られなかった。

テーブルには幾組も客があったが、そのどれからかの声が、ふと、金五郎の耳をそば立てさせた。

「玉井の奴が、組合を作ろうたって、出来るわけがないよ。それに、うちの親分から嚇かされて、釘を刺されちょるけ、作りきりゃせん」