Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
しかしながら、曲りなりにも出来た小頭組合は、これまでは無統制の強い者勝ち、馬賊と海賊との修羅場に似ていた若松港湾の石炭荷役に、一つの秩序と規律とをあたえる基礎となったのである。
もっとも金五郎を支持してくれた大庭春吉は、結成式をあげる段取りになったことを聞くと、蛭子顔でよろこんだ。
「お前を見こんだおれの眼は、狂わんじゃったのう。お前は、これからは、聯合組だけでのうて、若松港の大黒柱じゃ」
しかし、その言葉を聞いても、金五郎は、浮かぬ顔つきをしていた。
(女房が、組合を作ることに、一番、熱心に賛成しとったんじゃが……)
マンは泣いてよろこぶかも知れない。そのマンがいないことが、金五郎にはさびしくてならなかった。マンが逃げてから、なにをしても張りあいがなくなっていたが、精魂を打ちこんだ筈の組合がやっと出来あがっても、妙につまらぬ感じがしてならないのである。
大庭春吉には、そんな金五郎の気持などはわからないので、なおも、
「これからも、頑張ってくれ。どうで、お前が組合長に就任するとじゃろうけ、お前の力で、この喧嘩港を平和な模範港にしてくれ」
と、いうのであった。