Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
「知っています。毎日、何百人といって罹病し、何十人といって死にましたね。僕も、専門ちがいですが、医者の手が足りないということで、応援に行きましたよ」
「そのときです。玉井は、あれの弟分の、ほら、今、三内町で、「飛鳥」という料理屋をやっている森新之助、その森と二人で、コレラ患者のまっただ中で、まっ裸になって、毎日、仲間を介抱したのに、コレラにかからなかったんですよ。――コレラのバイキンの海の中で、平気でいた不死身男。……なんて、新聞に、写真入りで書かれました」
「致命傷がなかったのも幸でしたね。なにしろ、相手は、首魁の角助をはじめとして、剣客でもなんでもない。腕の鈍いのが、生くら刀を、しかも、びくびくもので、やたらに振りまわしただけ。それに、玉井さんは雨合羽を着ていましたから、急所を外れています。……いずれにしろ、死を免れたのはなによりでした」
「よっぽど葬式を出すのかと思いましたよ。葬式はあまり好きではありませんからな」
「医者も、お寺とはあまり仲よくしたくありませんよ」
そうして、親分と博士とは、明かるい声を立てて笑いあった。
金五郎が人力車に乗せられて、病院の玄関を出て行くとき、群衆の中にまじって、ひそかに、これを見送っているお京の姿があった。