Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

誰か、ガラス戸を開けて、浴室に入って来た。

金五郎は、あわててタオルを繃帯のように左腕に巻きつけて、彫青を隠した。

顔を出したのは、友田喜造である。真ッ裸だ。全身が濡れ、雫のたれるタオルで、腰のまわりを巻いている。これまで共同浴場の方に入っていたらしい。

「やあ、いた、いた。君が家族風呂の方というもんじゃけ、移動して来たんじゃ」

そして、「おう、寒ぶ」といって、いきなり、湯槽に飛びこんだ。金五郎一人でも、溢れそうになっていたのに、二人になると、縁を越して、瀑布のように、湯が流れ出た。狭くて、湯の底で、足が触れあうほどである。

「ここの風呂は、新婚の夫婦者かなんかが入るとじゃな? 彫青の親分同士の相風呂とは、野暮の天助たい」

友田はそんなことをいって、けたたましく笑ったが、無理な作り笑いであることは、金五郎にはわかった。

友田なら隠す要もないので、彫青を巻いたタオルを外した。

白く肌理の細い金五郎の皮膚にくらべて、友田の身体は、鮫肌で、どす黒い。そこへ、両腕から背中一面にかけて、自来也の彫青をしているので、よごれたシャツでも着ているようである。でっぷりと小肥りの身体と、骨ばった痩躯も、対蹠的だ。