Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
当選して、二期を勤めたが、やはり、事毎に、自分の無学を思い知らされて、情ない思いをした。金五郎以上に文盲な者が、のさばりかえっているのもあったけれども、金五郎には、どうしても、そういう厚顔、鉄面皮が出来なかった。それで、県会議員にという推輓は、謙虚に、辞退した。
「県会には、井上安五郎君を出した方がええ。わたしは、かげに居って、井上君を助けたい」
その説を譲らなかったのである。
櫓のうごくにつれて、夜光虫が青白く光る。舷も夜光虫で彩られている。金五郎の吸う煙草の火だけが赤い。親子を乗せた伝馬船は、埋立の工場地帯を左に見ながら、次第に、港外へ出て行く。
櫓を押しながら、また、
「お父さん」
と、呼びかけた。
「うん?」
「相談したいことが、ありますのですが、……」
「なんじゃ?」
「組合を作りたいと思いますのです」
「組合はあるじゃないか」
「いえ、仲仕の組合です」
「小方は、小頭と直結したものじゃ。小頭組合があったら、別に、仲仕の組合は要らんと思うが、……?」
「三菱炭積機問題は、簡単にはかたづかんと思います。それは、きっと、もっと先には、別の形の大きな問題になるような気がします。