Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
長年の習慣である。字も知らず、文章も書けぬけれども、自分の勉強のために、欠かしたことがなかった。片仮名文に、嘘字だらけの漢字、人が見たら、支離滅裂であるかも知れないが、他人に示すものではなく、それで充分だった。もともと、金五郎には一種の記録癖のようなものがあった。どんな些細なことでも、丹念にメモして置くことを忘れなかった。後になって、それがどれだけ役立ったか知れない。
金五郎は、第一行に、
「ウソトホント、人間ノ秘密、ナカナカ六ツカシイ」
と、書いた。
嘘をついて、マンを騙すつもりはすこしもないのに、結果においては、そういうことになっている。夫婦間の秘密とは、いったい、なんであろうか。お京に彫青を彫らせるときにも、龍の肢に菊の花束をつかませるほど、夫婦の愛情と、信頼とは深かったのに、お京とのことは、マンに一口も打ちあけていない。妻に対して、疾しいところはないと思う。それなのに、なお、告白を躊躇している。マンの方も、訊こうとしなかった。
「夫婦ちゅうもんは、なんもかんも、洗いざらい、一つの秘密もないごと、両方から話しあうとくが、一番ええ」
下関の彦島で、はじめて世帯を持ったとき、仲介の、「なんでも屋」