Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
……お父さんは、そんなことはないけんど、乞食みたいに、一票にガツガツすることだけは止めといてね」
マンの舌鋒に抗しかねて、仕方なさそうに、金五郎は、ただ、苦笑するばかりだった。
(お京の手紙から八つ当りかも知れん)
と、気色が悪い。薄氷のうえに立った心地である。
「原田雲井さんだけは、今度はぜひ当選させたい」
マンは、ぽつんと、いった。
金五郎と勝則とは、つれだって、玄関を出た。父は、「聯合組」、子は「玉井組」の、どちらも半纏姿。背丈は似たような五尺四五寸だが、ならぶと、金五郎の方が肥っていて、どっしりとしている。野球、柔道、剣道などをやった勝則は、骨組はがっちりしているけれども、肉づきが浅い。
路をへだてた二階家の入口に、「松本重雄」という表札が出ている。
金五郎は、表から、呶鳴るように、
「もう、みんな、仕事に出たかな?」
と、声をかけた。
「早ように、出ました」
と、松本の女房が、暗い奥の方から、答えた。
松本重雄は玉井組の大ボーシンになって、仕事の全体を統轄している。家には、独身仲仕を十四五人置き、飯代部屋を兼ねていた。裏の方には、家族持ちのいる長屋がある。