Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

(どんなつもりで、お京は、また、やって来たのか?)

異様な不安を感じながら、金五郎は、かたわらのマンをちらと見た。

マンは、お京の方には無関心の様子で、光丸に、強い視線を投げている。

勝則は、また、別の考えに浸っていた。ほろ苦そうな表情で、索漠とした自分の気持とたたかっていた。

(あんなに、楽しそうに踊っとる。悲しみも、苦しみも、もう、光丸にはないんだ。おれのことも、考えてなんか居らんらしい)

芸のなかに、陶酔しきっているような光丸の舞姿に、勝則は、

(それでいいんだ。ああ、それでいいよ。別々の世界に、おれたちは居るんだ)

そんな放棄的な感情に荒々しくゆすぶられながら、急に、光丸が遠くなるのを、さびしい気持で耐えていた。

拍手のうちに、幕が閉まった。

「お父さん」

と、マンが金五郎をかえりみた。金五郎はびくッとした。

「あん?」

「光丸さんて、きれいな人ね。相手の妻太郎さんというのも美しいわ」

「うん、そうじゃなあ、……」

勝則は、立った。座に居られなかった。便所にというような風をして、階段を降りた。そのまま、木戸口から、表に出た。

「ちょいと、ちょいと、玉井の若」