Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
いちどきに、何人の男があったか、それは、もう、滅茶苦茶といった方が早いかも知れませんわ。そうして、あたしが生まれましたのですが、……悲しく恥かしいことですけれども、申しあげましょう。……あたしは、誰の子供なのか、わからないのです。わかっていますのは、お京が母ということだけ、父親の見当もつきませんの」
お葉は、そこで、言葉を切ると、自嘲するような笑みをたたえて、また、噴水のうえにあらわれた一匹の蛍に、眸を投げた。すると、その蛍を隊長のようにして、次々に、蛍が飛んで来て、池のうえ一面に、きらめく光の粉をまいた。
マンは、蛍よりも、息をのむ思いで、お葉の美しい横顔を見つめていた。
(うちの人が、お京さんの一生を台なしにしたらしい)
異様な気持である。
「玉井のごりょんさん、母は、こんなに、なんでもかんでも、やりッ放しでしたけれども、一つだけ、ふっつりと、止めたことがあるんですの。それは、彫青です。女彫青師として、母は、名の知れた男の名人たちからも、腕のよさを高く買われていましたのに、東京に帰ってから、今日まで、一度も、筆と針とを手にしません。おわかり下さるでしょう? 玉井さんの左腕に残した昇り龍を、最後にしたわけです」