Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
おれは、事業のなかに、ありたけの力を打ちこむよ」
「それが、ええ」
「それで、もう、このピストルは要らん。持っとると、いつ、また、出来心がわかんともかぎらんけ、お前にやる」
「よし。おれも、こんなもんは必要ないけんど、お前がその気持なら、おれがあずかっちょくことにしようわい」
ずっと下の、森林の木の間がくれに、百合香が登って来るのが見えた。右手に、茶瓶をぶら下げている。
金五郎は、あわてて、拳銃を内ポケットに収った。
西洋花のような百合香は、息を切らしながら、近づいて来た。
「一気に登ると、やっぱり苦しいわ。東南院さんで、沸かして下さるのを待ってたもんだから、遅くなったの。方丈さんが、お二方に、くれぐれも、よろしくッて」
「雉子じゃ」
突然、新之助が叫んだ。猟銃を外し、森林の奥へ、そっと、入って行った。姿が隠れた。
パーン、という銃声。森林中を鳴らす谺。
「やったぞ」
その声と同時に、猟犬ベルが、声もなく、疾走して行った。
祇園祭が、来た。
氏神である白山神社の境内には、「四海泰平」「徳光遍世」などと書かれた白い幟が、七月の風に、パタパタと鳴っている。朝暗いうちから、大太鼓の音がひびきわたり、神輿が、揃いの祭着に甲斐々々しく身がためした若者たちによって、海岸の方へかつぎ出される。