Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
大束な菊と、百合の花とが加わると、龍の山笠は、一層、絢爛としたものになる。
「美しいなあ」
と、この山車をひく区内の子供たちも、大よろこびである。
「六区は岩見重太郎、七区は天の岩戸、十一区は羅生門、三区は提灯山じゃ。おれんかたの龍が、一番、ええど」
子供たちは、他区の山笠を見に出かけては、そんな自慢話をしている。
祭の前日、深更までかかって、すっかり仕上げた。
金五郎が、マンにいった。
「ひょっとしたら、勝則が帰って来るかも知れんど」
「どうして」
「お祇園さんじゃけ、子供といっしょになって、ワイワイ騒いだら、気分も紛れやせんかと思うてな、東京に、手紙を出しといた」
「あら、あたしも、帰って来るごと、一週間も前に、便りしたんじゃが。……でも、今に帰って来んけ、帰らんつもりでしょうよ」
ぎらぎらと、眼もくるめくような陽炎が、海も、山も、街も、ゆらめかせている暑い日である。風があって、筒抜けの青空を飛ぶ白雲の足も早かった。
街中を、多くの山笠が練り歩く。他区に負けないように、それぞれの意匠を凝らし、山車をひく子供たちの祭衣も、みんな揃いだ。区名入りの半纏、豆しぼりの手拭、赤や白の鉢巻、大男の子供たちが、二本の曳綱に群がって歩いて行くと、山車の中から、勇ましく、にぎやかに、鉦と太鼓とが鳴りひびく。