Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

「そうか、そんなら、今度逢うたとき、よう礼をいうとこう」

金五郎は、仕方なしに、そう答えた。けれども、実際は、このことを、新之助のように、手ばなしでよろこぶ気持には、どうしてもならなかった。それどころか、「チーハー」の島崎勇次と、森新之助との結びつきに、いいようもないはげしい不安が湧く。

新之助の方は、金五郎の気持などには頓着なく、終始、にこにこしている。焼ける前に比して数等立派な、日若座落成の日のことを考えると、楽しくてたまらぬらしい。しかし、やっと、金五郎が、先刻から、あまり晴れ晴れしていない様子に気づいて、

「金さん、大層、元気がないごとあるが、……やっぱり、争議がうまく行かんかね」

「うん、どうもなあ」

「むずかしいもんじゃのう」

「今日も、会見はお流れじゃ。肝腎の先方は、責任者が旅行中とかいうことで、話にならん。この争議がはじまってから、関係者が、よう旅行したり、病気したりする。まるで、一人角力を取っちょるようじゃ。……あんまり、気が腐るけ、「六ゾロ」にでも寄って、源公と一杯やろうかと思うて、行きよった」

「労働組合が出来ても、うまい具合には行かんとみえるな」