Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
はたして、危惧は実現した。
数日後、新之助が、島崎勇次をともなっておとずれて来た。
「やあ、玉井さん、お寒いことで、……」
島崎勇次は、笑顔をつくって、なにげない様子で、そう挨拶した。
しかし、金五郎は、警戒した。この精悍な博徒の、もともと、肺患から来る、不健康な青白い皮膚に、不気味な鳥肌が立ち、歯が、ときどき、ガチガチと鳴っているのを見れば、ただごとではないことがわかる。なにかの非常の決意をしていることは、疑いを入れなかった。
「お揃いで、なにごと?」
そうたずねたが、用件はわかっていた。
(決闘をする気じゃ)
最近、「チーハー」賭博は、数回にわたって、挙げられた。闘鶏場も、鉄火場も、開帳のたびごとに、不意討ちを食った。売りだしかけていた島崎の縄張りは、ほとんど、壊滅に瀕している。日若座の事件以来、友田一派の攻勢と、圧迫とは、露骨になった。島崎の「男の顔」が立たなくなっているのである。
十日ほど前の深夜、島崎勇次の家に、一箇の屍骸が、人力車で送りとどけられた。それは、島崎の可愛がっていた子分の一人であったが、全身を、膾のように、斬りきざまれていた。