Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
消毒したり、棺桶に入れたりするのは、市役所の仕事じゃないか。わたしは、市役所の使用人じゃないよ」
金五郎は、褌一つの素裸である。羅病した仲間を介抱するのに、着物を着ていては邪魔くさいので、脱いでしまったらしい。胸の厚い、たくましい筋骨の、肌理のこまかい、まっ白な身体が、秋の陽に、まぶしく、光っているようである。胸毛が、濃い。
そこへ、
「玉井、どしたんじゃ?」
と、浜尾市造が、やって来た。火事装束をして、黒いマスクをかけている。
役人が、横から、
「これは、浜尾君、大変だね。なにね、この男、僕が、死人を棺に入れろといったのに、どうしても、いうことを聞かないんだよ」
「そうですか。……玉井、役所も手が足らんらしいから、すまんけど、お前、世話ついでに、ひとつ、死人を棺桶に入れてやってくれんか」
「わかりました。入れます。親方がいうのなら、いつでも入れますよ。死人を舐れ、といわれや、ねぶります。料理って食え、といわれても、いわれたとおりします。役人の命令なんて、誰がきくもんか。権柄ずくなら、いやなこってす。……なあ、新公」
と、かたわらの森新之助を、かえりみた。