Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かしょく

花燭

太宰 治

Leggi 花燭 (かしょく) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.501 caratteri · 38 schermate

Aozora Bunko

「あたし、なんでも知っててよ。新やんのこと、あたし、残らず聞いて知っています。新やん、あなたはちっとも悪いことしなかったのよ。立派なものよ。あたし、昔から信じていたわ。新やんは、いいひとよ。ずいぶんお苦しみなさいましたのね。あたし、あちこちの人から聞いて、みんな知っているわ。でも、新やん、勇気を出して、ね。あなたは、負けたのじゃないわ。負けたとしたら、それは、神さまに負けたのよ。だって、新やんは、神さまになろうとしたんだ。いけないわ。あたしだって、苦労したわよ。新やんの気持ちも、よくわかるわ。新やんは、或る瞬間、人間としての一ばん高い苦しみをしたのよ。うんと誇っていいわ。あたし、信じてる。人間だもの、誰だって欠点あるわ。新やん、ずいぶんいいことなさいました。てれちゃだめよ。自信もって、当然のお礼を要求していいのよ。新やん、どうして、立派なものよ。あたし、汚い世界にいるから、そのこと、よくわかるの。」

男爵は、夢みるようであった。何を女が、と、とみの不思議な囁きを無理に拒否しようと努めた。底知れぬほどの敗北感が、このようなほのかな愛のよろこびに於いてさえ、この男を悲惨な不能者にさせていた。