Classici giapponesi con furigana
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めばえ
芽生
宮本 百合子
Leggi 芽生 (めばえ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 40.924 caratteri · 81 schermate
とろける様なうれしい気持になって一人手に、こわばった様になった口元がほどけてまるで若い娘がする様にうなだれて畳の目を見ながら肩を小さくふるわしてクスクス云って居た。その様子をヒョッと想像するとたまらないほどおかしくなって、今度はわだかまりのないカラッとあけっぱなしの気持で笑った。
「妙な奴だ」と思いながら、二階のユサユサするほど足に力を入れて歩き出した。下でおっかさんが「何だネエ、だだっこ見たいに、ねだがぬけちゃうワ」こんな事をいって居るのを小耳にはさんでクスリと肩を一ゆすりしてきりぬきのゴッチャゴチャになげ込んである襖のない戸棚の前に丸くなって座った。かたそうかとも思うけれ共めんどうくさくもあるし、と思って何か気に入ったのはあるまいかと思ってしわクチャになるのもかまわずあさったけどどうしても手ばなしたくない様なのが見あたらない、「いやんなっちゃあうなア」何ともなしにこんな事を云ってしまった。机のところにまたもどって、あの人がもってきて呉れた狸ばやしと胡蝶の曲を読み始める。この本とひっかえにもってった三味線掘りの手ざわりのいい表装がフイに見たくなったがマアマアとあきらめる。