Classici giapponesi con furigana
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わかすぎさいばんちょう
若杉裁判長
菊池 寛
Leggi 若杉裁判長 (わかすぎさいばんちょう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.238 caratteri · 21 schermate
が、いつもは鼠が居間で暴れることはないはずだのにと考えていると、若杉さんはようやく、鼠が暴れる原因がわかりました。それは、妻の産見舞として、到来したたくさんの菓子箱や果物籠などを、棚の上に積み重ねてあったことです。それと気がつくと、若杉さんは声を出して、鼠を追おうと思いましたが、次の間に寝ている妻をおどろかしてはならぬと気がつくと、そっと自分で床を抜け出して、枕元に袖だたみにしてあった着物を着流し、寝るときに消しておいた電灯を捻りました。そして妻を起さぬようにと抜き足して、居間の方へ近づいて、襖を開けました。書斎の電灯の光が開いた襖の間から次の間を照しましたが、それはほんの中央部だけでした。若杉さんは、なんの気なしに次の間へ足を踏み込みました。が、その刹那、ただならぬ気配が、電灯の光の及ばない箪笥の置かれた片隅でいたしました。人だ泥棒だと、若杉裁判長は、電気に打たれたようにそこに立ち尽しました。すると、その闇の中から頑丈な一人の大男が、すっくとばかり、若杉さんの目の前に立ちました。実際、若杉さんは、今まで被告函の中に畏まっている大人しい窃盗や強盗や殺人犯なら、幾人見たかわかりません。