Classici giapponesi con furigana
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きのこのまいひめ
茸の舞姫
泉 鏡花
Leggi 茸の舞姫 (きのこのまいひめ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.906 caratteri · 24 schermate
「御前様。」
「杢か。」
「ひひひひひ。」
「何をしておる。」
「少しも売れませんわい。」
「馬鹿が。」
と夜陰に、一つ洞穴を抜けるような乾びた声の大音で、
「何を売るや。」
「美しい衣服だがのう。」
「何?」
暗を見透かすようにすると、ものの静かさ、松の香が芬とする。
六
鼠色の石持、黒い袴を穿いた宮奴が、百日紅の下に影のごとく踞まって、びしゃッびしゃッと、手桶を片手に、箒で水を打つのが見える、と……そこへ――
あれあれ何じゃ、ばばばばばば、と赤く、かなで書いた字が宙に出て、白い四角な燈が通る、三箇の人影、六本の草鞋の脚。
燈一つに附着合って、スッと鳥居を潜って来たのは、三人斉しく山伏なり。白衣に白布の顱巻したが、面こそは異形なれ。丹塗の天狗に、緑青色の般若と、面白く鼻の黄なる狐である。魔とも、妖怪変化とも、もしこれが通魔なら、あの火をしめす宮奴が気絶をしないで堪えるものか。で、般若は一挺の斧を提げ、天狗は注連結いたる半弓に矢を取添え、狐は腰に一口の太刀を佩く。
中に荒縄の太いので、笈摺めかいて、灯した角行燈を荷ったのは天狗である。が、これは、勇しき男の獅子舞、媚かしき女の祇園囃子などに斉しく、特に夜に入って練歩行く、祭の催物の一つで、意味は分らぬ、(やしこばば)と称うる若連中のすさみである。