Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きのこのまいひめ

茸の舞姫

泉 鏡花

Leggi 茸の舞姫 (きのこのまいひめ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.906 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

……炭団、埋火、榾、柴を焚いて煙は揚げずとも、大切な事である。

方便な事には、杢若は切凧の一件で、山に実家を持って以来、いまだかつて火食をしない。多くは果物を餌とする。松葉を噛めば、椎なんぞ葉までも頬張る。瓜の皮、西瓜の種も差支えぬ。桃、栗、柿、大得意で、烏や鳶は、むしゃむしゃと裂いて鱠だし、蝸牛虫やなめくじは刺身に扱う。春は若草、薺、茅花、つくつくしのお精進……蕪を噛る。牛蒡、人参は縦に啣える。

この、秋はまたいつも、食通大得意、というものは、木の実時なり、実り頃、実家の土産の雉、山鳥、小雀、山雀、四十雀、色どりの色羽を、ばらばらと辻に撒き、廂に散らす。ただ、魚類に至っては、金魚も目高も決して食わぬ。

最も得意なのは、も一つ茸で、名も知らぬ、可恐しい、故郷の峰谷の、蓬々しい名の無い菌も、皮づつみの餡ころ餅ぼたぼたと覆すがごとく、袂に襟に溢れさして、山野の珍味に厭かせたまえる殿様が、これにばかりは、露のようなよだれを垂し、

「牛肉のひれや、人間の娘より、柔々として膏が滴る……甘味ぞのッ。」

は凄じい。

が、かく菌を嗜むせいだろうと人は言った、まだ杢若に不思議なのは、日南では、影形が薄ぼやけて、陰では、汚れたどろどろの衣の縞目も判明する。